
ご両親がお住まいだった実家を相続や遺贈で取得し、その後に売却するというケースは多く見られます。
このとき、相続が発生した年の12月31日から3年以内に売却するなど、一定の要件を満たせば、「空き家特例」と呼ばれる制度を利用できるため、譲渡所得から最大3,000万円の控除を受けられます。
結果として、税金を最大600万円も安くできるのです。
(空き家特例の要件については、相続コラムQ14をご参照ください)
ところが、相続登記の方法を誤ると、この空き家特例が使えなくなるという「落とし穴」があります。
■ 数次相続のケース
たとえば、父が亡くなった後に相続登記をしないまま、母も亡くなってしまい、相続人が長男と長女の2人いるケースを考えましょう。
いわゆる「数次相続」が発生しています。
この場合、本来は“父の相続”と“母の相続”の2件の相続登記を申請する必要があります。
しかし、実務上は「登記費用を抑えるため」に、長男と長女が父と母の双方の相続人として遺産分割協議をし、1件の相続登記だけで済ませることが可能です。
ところが、ここに大きな問題があります。
■ 空き家特例が使えない理由
空き家特例の要件のひとつに、
「一人暮らしだった被相続人から相続すること」があります。
もし母への相続登記を飛ばして、父から直接長男・長女に名義変更してしまうと、父が亡くなった時点では母が同居していたため、一人暮らしの要件を満たさないことになり、空き家特例を使えなくなるのです。
■ 解決策:2件の相続登記をする
この場合のシンプルな解決策は、次のとおりです。
1件目:父から母への相続登記(亡くなった人名義で登記可能)
2件目:母から長男や長女への相続登記
こうすることで、母が亡くなったときは一人暮らしであったため、空き家特例の要件をクリアできます。
さらに、空き家特例の3,000万円控除は相続人ごとに適用されるため、長男と長女の2人が相続すれば、最大6,000万円(3,000万円×2人)まで控除枠を使うことが可能です。
■ まとめ
「数次相続」では、登記を1件のみにまとめて費用を抑えようとすると、空き家特例の3,000万円控除が受けられず、数百万円単位の税金を無駄に支払う結果になることがあります。
当事務所では、こうした相続登記について多くのご相談をお受けしております。
相続に強い税理士と連携し、ご実家の売却で「空き家特例を最大限活用できる相続登記の方法」をご提案します。
「うちは特例が使えるのだろうか」「登記の方法はこれで大丈夫か」とご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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