
■ よくあるトラブルの例
長男:「僕に、父さんの遺産をすべて相続させてくれ。その代わり、母さんが亡くなったときは、僕は相続を放棄するよ」
長女:「わかったわ」
――数年後、母親が亡くなりました。
長女:「約束どおり、母さんの遺産は私が全部もらうわね」
長男:「そんな約束はしていない。自分も法定相続分をもらうよ」
実は、こうしたトラブルは数多く発生しています。
■ 口約束に効力はある?
残念ながら、一次相続(父親)のときに兄妹間で口約束をしても、二次相続(母親)の相続には法律上何の効力もありません。
法律の世界では、「亡くなった人ごとに、その人の遺産を法定相続人で分ける」という考え方をとっているからです。
遺言書がない場合には、その都度、法定相続人全員で「遺産分割協議」を行わなければなりません。
■ 正しく準備しておくには?
では、どうすればよかったのでしょうか。
一次相続(父親)のときに、次の2つの手続きをしておく方法があります。
①母親が、長女にすべて相続させる内容の「遺言書」を作成する
②長男が、家庭裁判所に「遺留分を放棄」する申立てをする
母親の遺言書があれば、長女がすべて相続する権利が発生します。
しかし、遺言があっても長男には「遺留分」があるため、このケースでは 1/4(法定相続分1/2 × 遺留分割合1/2) を請求されてしまいます。
そこで、長男には家庭裁判所に「遺留分放棄」の申立てをしてもらいます。そうすれば、長女がすべてを相続することが可能となります。
■ 注意点
ただし、この「遺留分の放棄」は日本全国でも年間1,000件程度しかなく、家庭裁判所の判断で却下されることもあります。
家庭裁判所が「遺留分の放棄」の必要性を認めてくれるかどうか、ここが大きなポイントになります。
■ まとめ
相続は、一度きりの約束で完結するものではなく、法律上の手続きが必要になります。
「家族で約束したから大丈夫」と思っていたら、後から大きな争いになるケースは珍しくありません。
少しでも不安を感じたら、早めに専門家に相談しましょう。
当事務所では、遺言や遺留分放棄などのご相談を含めて、最善の相続手続きをサポートしております。
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